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製品開発ポイント-色の難しさ

  1. 色管理
  2. 設計
  3. 開発

モノつくりにおいて「色」とは重要な製品仕様の一つになります。色を選ぶ難しさについて説明します。

1.色の本質

色とは何でしょうか?

私たちは、目から視覚的情報を脳に伝達して映像としてモノを「見る」という形で認識しています。青のハンカチも黄色のコップもそれらのモノに反射された光が情報として目に入ってくるのを色として脳が認識しています。

壁を青の塗料で塗れば青の壁色になり、黄色の塗料で塗れば黄色の壁色になります。しかし、これも厳密には青や黄色の塗料を塗った壁に反射した光を見ています。このことは、私たちは光によっては見るモノの色が変わることを意味しています。夕方のオレンジ色の光の中では、青や黄色の壁の色は昼間見る時とは違って見えてしまうのです。

それは、夕方のオレンジ色の太陽光が壁に反射した光となって見る者の目に色情報を伝えているからです。光はスペクトル(分光分布)と言って様々な色の光が混ざっている状態を分けることができます。太陽の光も様々な色の光が混ざっています。プリズムのような形状の透明物質を通過した光は色分けされます。虹はその現象の一つです。

太陽の光は含まれる様々な色の光に分けられて虹として現れるのです。虹の色全てが普段の太陽の光に含まれているのです。青の壁もハンカチも、太陽光が当たって反射する際に、青の色を残して他の色の光を反射させないので結果的に青色として見えるのです。しかし、夕方の太陽光は赤やオレンジの波長の光以外が少なくなっているので、反射する全ての色目は昼間とは違う色に変化してしまうということなのです。

このように「色」というものは光源の特性によって変わる性質をもつのです。

2.色を決める際の注意とは

製品の色を決める際に、注意するべき点とは何でしょうか?

まず以下のポイントが色を決める時の重要な要素になります。
①色をつけるモノは何か  ②色をつける方法は何か  ③色の材料は何か  ④その色を誰がどのように見るのか
という点になります。

これらの各要素において正確に確定していくことが重要です。これらを曖昧にした場合の製品の色目は、見る者と環境において感覚的に様々な色の概念を生じてしまいます。
要するに基準を持たない色の状態ということになります。先ほどの太陽光の昼と夕方の違いのように、見る環境によって常に変化する色目に対しては基準の取り決めが必要であり、色目のトラブルのほぼ主要な原因は最初の色目を決める際にどの光源仕様によって見える色を基準にするかが曖昧なことが多いのです。

色目の基準と誤差を「色差」という色目専用の数値化した評価基準で決めることもあります。
お互いが「同じ条件で色を見る」ということ。たかが「色」されど「色」ですね。色決めの際はくれぐれもご注意を。