製品開発ポイント-大きく影響する見えないコスト
最初の算出では想定していなかった原価になってしまうことがよくあります。想定していたコストにならない原因はどこにあったのでしょうか?
以下によくあるケースを挙げてみました。この大きく影響する「見えないコスト」ついて説明します。
1.想定外の輸送費用
輸送コストは、単純に最終出荷発送コストだけではありません。モノを動かす(マテハン)ことは全てコストが発生します。その製造にかかわる全ての工程でマテハンコストは発生しております。
例えば、1箱20個入りで考えていた梱包を16個入りに変更するというような事例はけっこうあります。理由は、品物が壊れるので改善する等です。
この場合、1箱の発送費用が2,000円だとすると1個当たり100円だった発送費用は、16個入りに変更することで1個当たり125円になってしまいます。1個当たりのコストが25円UPになるのかと思っていると、なんと結果的に75円UPになっていたというようなケースがあります。これはどういうことでしょうか?
品物が壊れるからという理由での梱包変更ということは、製造工程においても壊れないようにマテハン(モノの移動)方法の変更が必要となります。今までの移動コストもその分コストUPしてしまうのです。
2.想定外の製造ロス
製造上で発生するロスは様々あります。例えば以下があります。
・加工方法を変更したことにより、加工準備段階で使用する捨て材料が増えた。
・品質条件を変更したことにより、不良率が上がった。
・塗装や印刷などの追加を変更した場合、その表面保護のためのマテハン梱包が追加になる。
・仕様変更に伴って、工程内での検査作業が増える。
・生産数量を急激に増加させることにより、先調達した材料や出来上がった製品の大きな保管場所を要することになる。
・ある加工工程の変更により、前後の工程の生産能力が落ちることでの待機ロス発生。
などが考えられます。
これらは、一見するとコスト算出から見落としてしまうロスになります。しかしながら、最終コストでは明確に反映されて表れてくるものです。
以上、量産においてのコストの要素とは顕在化したコストの他に潜在化する要因のコストもあることを銘記しておく必要があります。