製品開発ポイント-梱包仕様と品質
梱包仕様をしっかりと考えず不適切なものにしてしまうと結果的に製品の不良を引き起こしてしまう原因になります。
梱包仕様と品質について説明します。
1.基本的には製品の保護を目的とする
製品をしっかり保護する目的で梱包を考えることが一番の基本になります。
では、何のために製品を保護するのでしょうか?
そんな当たり前な質問をするな!とお叱りを受けそうですが、意外とこのポイントから外れた梱包仕様を取るケースを多く見かけるのです。では、何のための製品保護なのでしょうか?
それは、製品を不良品にしないための製品保護なのです。これも当たり前といえば当たり前です。では、どのような状態が不良品と呼ばれる状態なのでしょうか?
ここにいたって、ポイントにズレを生じる考え方が出てくる場合があるのです。例えば「キズがあると不良」といった場合、どこのキズでしょうか?どれほどのキズでしょうか?を確認する必要があります。
そして、キズはどういう要因(プロセス)で発生するのか?を考え検証することが必要になります。要するに、ロジカルに考えることが大切で、何となく思いつきで決めてしまうことは良くありません。
どこをどのように保護する仕組みになっているのかを明確にしましょう。
2.個装梱包と輸送用梱包
製品は1個ずつ外装で包まれています。それが、袋であろうと箱であろうと包み紙であろうと製品を包む外装は様々な様式で存在します。これら外装は中身の製品を保護する役目の他に、製品のイメージや品質情報や製造情報の表示などの役目も持っております。いわゆるパッケージとして製品の一部を担っています。
その外装に包まれた製品は、一定の数量で箱に入れて運ばれます。時には1ダースであったり50個や100個であったりと、決まった数量を1箱(カートン)入れとして流通されます。この箱は流通時の保護が目的であり輸送用梱包となります。
製品パッケージは製品の一部としての意味からも汚れや傷は不良品となりますが、輸送用の箱はそれ自体が汚れても中身の製品が守られていれば良いということになります。
価値的に、それらに相応する仕様を決めることが重要です。
3.過剰梱包に注意
近年、「過剰梱包を改善する」という言葉を耳にします。
製品の保護を意識するあまり過剰な梱包をすることを見直しましょうという取り組みです。
製品そのものを取り出した後は、外装梱包も含め全ての梱包材はその役目を終えゴミになってしまいます。地球資源の節約の観点からも、環境破壊の軽減の観点からも、コスト削減の観点からも、不要な梱包や包装はやめましょうという考え方は、現在多くのプロダクトで認識されております。
この取り組みに重要なのは、じつは消費者の意識革命であり、物を供給する側と消費者とのコミュニケーションにおいて、今後どのように価値観を共有するかがポイントになるとも思われます。
これからアイデアを製品化する時には、是非ひとつ考えてみて頂ければと思います。