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製品開発ポイント-量産のメーカー選定

  1. 量産

量産メーカーの選定基準についてご紹介します。

1.同じ加工機械を持っているならどこでも作れるのか

量産製造先の選定は、当然ながら加工する機械を設備しているメーカーでなければなりません。その加工設備を持っているかいないかを確認することは当然です。しかし、同じ加工設備を持っているメーカーがもし2社以上見つかったら、あなたはどのような基準でそのメーカーの中から1社を選びますか?

社長の相性?もちろん見積もりコスト?

確かに、それらも大切なファクターです。しかし、一番重要な点は依頼する製品の特性にメーカーの特性がマッチングしているかどうかなのです。

例えば、こちらが「プラスチック部品を製造してほしい」場合、プラスチック加工機械を持っているメーカーなら加工はできます。しかしこれが「透明なプラスチック製品を製造してほしい」となると話は変わります。同じプラスチック加工機をもっているメーカーでも、いつも黒いバケツを製造しているメーカーだと透明製品の製造には不向きなのです。

透明製品の品質は特に「異物不良」というゴミのような異物がプラスチック製品の中に紛れ込む不良を嫌います。黒いバケツを製造しているメーカーは特に黒いチリが浮遊している確率が高く不利になります。透明部品を専門に製造しているプラスチックメーカーを選定する必要があるのです。

このように、まずはこちらの製品特性をしっかり認識し、メーカーを選定することが重要です。せっかく量産を依頼しても、不良の山になった製品を前にメーカーさんと悩むという悲劇にならないようにしたいものです。

2.場所は大切

メーカー選びにおいて、もう一つ重要なのが「場所」です。

加工内容の条件で、どうしてもこの1社しかないというメーカーなら場所を選ぶ余地はありませんが、基本的には合理的な場所選びが重要です。

理由の一つは、当然輸送コストの都合です。製品の最終的な納入先、もしくはストックする指定倉庫の場所から遠いメーカーであれば、そのまでの納入運送コストは高くなります。極力近いメーカーが好ましいのです。これは、組み立て先と部品加工先の間でも同じことが言えます。

もう一つの理由は、品質です。基本的に輸送距離と品質リスクは比例します。遠くに運ぶほど品物は壊れる恐れがでてきます。運送会社の保管環境もどのような状態なのかはわかりません。輸送中の振動やショックが製品にどのような影響を及ぼすかもわかりません。これらは、全て品質リスクになります。ちなみに、量産設計段階や最終梱包検証段階で、この輸送リスクを検討する作業を「輸送検討」「梱包設計」「輸送状態テスト検証」と呼び、一つのステップとしてしっかり検討することもあります。

いずれにしても、メーカーの選定において「場所」は大切なのです。