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製品開発ポイント-検査における法則2

  1. 品質
  2. 検査
  3. 量産

経験値こそが感覚的なイメージを検査員に持たせる場合もあります。検査における法則1に続き、検査における法則2ついて説明します。

1.三人の囚人のお話し

ある三人の死刑囚が収監されている監獄があり、看守が見張っている状態がある。この三人の死刑囚の内、一人だけ恩赦により死刑を免れることが決まった。

三人の死刑囚の罪はほぼ同じなため恩赦になる一人はランダムに選出されることになった。したがって、この時点で三人の恩赦の確率は均等に3分の1である。しかし、この囚人の中で囚人Aが看守に「誰が恩赦になったのか?」と尋ねる。しかし、看守には(本人に関する情報を漏らしてはならないという)規則が課せられている。そのため、囚人Aの問いには「答えられない」として回答しないのである。そこで囚人Aは一計を案じる。看守にこう尋ねたのである「一人が恩赦なら俺以外の2人のどちらかは必ず死刑になる。俺以外のことなのだから教えてもよいはずだから教えてくれ」と。
すると、看守は「Bは死刑になるよ」とAに伝えたのである。

これを聞いて囚人Aは喜ぶ。なぜならば、囚人Bの死刑は確定したのだから、A自身と囚人Cのどちらかが恩赦ということになり、確率は3分の1から2分の1に上がったからである。

さて、この時、囚人Aの喜びは正しいであろうか?

2.感覚的な数値と確率的な数値

この三囚人のパラドックスのように、直感的・感覚的な予測数値に対して、確率的に導き出された数値が不一致になるこのような現象は実際の品質管理においてもあり得るのです。

今までの経験値や検査実績、様々なバイアス(思い込み)が、さらなる感覚的なイメージと確立数値の乖離を生じさせていく要因にもなるのです。

直感的な感覚で判断してしまうと大きなミスになる場合もあることを銘記しておきましょう。