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製品開発ポイント-特性要因分析

  1. 不具合対策
  2. 品質分析

モノつくりにおいては問題が多く発生するものであり、その時に無駄のない効果的な対策を取るためには是非知っておきたい考え方の一つ。特性要因分析について説明します。

1.全ての事柄には原因と結果という(因果関係)がある

何かの原因が何かの結果につながっていく。この「因果関係」という原則は、改めて言うまでもなく私たちが普段感覚的に認識していることです。

モノつくりにおいても、同様にその工程は因果関係で全ての現象がつながっています。このことを基本的概念において不具合事象を考えると、不良品が作られる原因が結果として不良品を発生させるのです。したがって、その原因を取り除けば不良品は作られないことになります。
逆に言えば不良品が作られる原因に関係のない要素に対策を講じても、不良品発生を解消する結果にはつながらないことになります。

不良対策を講じているのに不良が減らないという場合は、このことが考えられるのです。

2.魚の骨のような図

電気ポットを作る工場で完成した製品の最終検査で不良が発生したとします。同じ不良現象が毎日検査で検出され続けるようであれば、これは大きなロスとなりますので改善しなければなりません。

さて、この不良はなぜ発生するのでしょうか?

この時の不良が発生するという結果を「特性」として定義し、この不良発生に影響のある要素を「要因」とします。そして、その「要因」に生じる不良発生の元となる「原因」を考えていくことを“特性要因分析手法”といいます。

不良発生という結果である(特性)を魚の頭にして背骨の骨を線引き、その背骨からまるで魚の骨のように枝分かれした(要因)の骨の線を引いていきます。要因は電気ポット製造に関して影響のある要因になりますので、原料や容器や電気部材・製造機械や製造現場・作業者・そして作業手順や作業方法などが主体になります。これらの中で、さらに不良を発生させる原因として考えられることは何かを考えます。

このように見落としがないように関係する全ての要因に目を向けて原因を検証していくことで見えざる不良原因を見つけ出していくことができるという手法なのです。

大事なことは、何となく原因はこれかな~という対策発想ではなく、因果関係を明確にした対策を講じていくことが不良撲滅のポイントなのです。