製品開発ポイント-不良発生の対応
納入された品物が不良品だと客先から連絡が入ります。不良の発生に伴い、対応をしなければなりません。そこで、こういう際に聞くのが『恒久対策をとる』という言葉です。この不良発生の対応について説明します。
1.恒久対策と暫定処置
不良の発生はモノつくりにおいては悲劇であり、おそらく予想外の出来事であろうかと思います。誰も故意に不良を発生させようなどと考える人はいません。
この不良発生と言いう事件に際し手をこまねいているわけにはいきません。速やかな対応が必要なのです。この不良発生の時にとる対応力こそ、その後の信用の要因となるのです。では、どのような対応が必要なのであろうか? そこで、考えなくてはならないのが現時点の対処と今後の再発防止策となります。
この現時点での必要な対応、つまり差し当たっての対処を『暫定処置』と呼びます。例えば、納入先では当該不良品の受け入れ後のスケジュールがあったはずであり、その納入先の都合を最優先に考えた場合の対応処置が必要となるはずです。最大限に不良事故の影響を軽減することが重要であり、そのためには少しでも納入可能数を確保する必要があります。
この場合、不良が全数でなければ選別検査を行い当該不良と良品を仕分け、良品のみをまずは納入可能にする等の処置活動を指します。その他、手直し・修正などの作業で良品にする作業もこの暫定処置に含まれます。
また、当該不良内容が使用出来うるレベルの不良である場合に、この不良発生納入数に限って特別に納入を認めるという『再格付け』という方法もあります。いわゆる『特別採用』です。これも暫定処置に含まれるのです。
2.恒久対策とは事象分析のこと
一つの出来事の原因を掴むことはいわば『事件捜査』です。事故調査委員会という組織があります。運輸の関係などの事故の際にその原因を追究するための組織です。航空事故や海上事故等での事故原因の究明などの際にニュース等でよく耳にする組織名です。
この調査委員会が調べる事故原因の抽出作業こそが出来事の発生要因の捜査なのです。不良発生においても同様に不良という事象の発生までの流れを不良発生プロセスと呼び、このプロセスをつかむことが再発防止への重要な初動となります。
不良が発生した事前から発生への事象の因果関係において、何かしらの繋がりがあるはずです。例えば、ある製品にキズが付いているという不良が発生したとしましょう。
このキズがなぜ発生したのか?キズ発生プロセスを調査します。すると、入荷時の受け入れ検査での製品の扱いが雑であったとか、、、その後の梱包作業中に作業者が床にその不良製品を落下させたとか、、、の理由が分かってきます。
すると、その原因調査から発生理由が明確になるのです。
不良品発生要因として因果関係が確定します。まさしくこの情報から二度と不良発生をさせないという再発防止策のアイデアが生み出されるのであり、これこそが『恒久的に当該不良の発生要因の除去』につながる対策アイデアとなります。
手法には『QC7つ道具』という分析手法があります。この原因を追究する分析手法は生産工程を徹底的に特性として知ることであり、その工程上の特性がどのように当該不良現象との相関関係を持つのかを多角的に分析することに効果的な手法です。
詳しくは触れないが、様々な不良原因分析の手法は勉強しておくと今後の不良対策においても理論的に検討する習慣が身につくでしょう。
不良発生の原因は何か?→『うっかりした』から。。。だとか、今後の対策は?→『二度と起きないように一生懸命に頑張ります』という答えで終わらせないようにしましょう!