製品開発ポイント-流通(物流と効率)
完成された製品は市場へ販売されます。製品の工場出荷のあと市場で販売されるまでの長い旅は輸送に携わる方々の手により運ばれていきます。
この長きデリバリーの経路はその「製品に関する物流」として管理運送されていくのですが、少々輸送という点で考えてみましょう。
1.工場から消費者の手に渡るまで
ある製品の流通を考えてみましょう。
ここにある製品が今工場を出発して出荷されていきます。この製品は、工場から卸売業者の倉庫に入荷をされていきます。大型トラックで運ばれていくのです。その指定倉庫でしばらくの間を過ごした製品は、今度は倉庫から販売店へと運ばれていきます。販売店についた製品はそこで初めて輸送箱から出されてお店に陳列されます。そして、ある消費者がその商品を購入します。消費者はお店に購入した商品を自宅に配送するように依頼します。かくして、商品は再び輸送用の箱に入り、運ばれていくのです。
実に相当な時間を輸送として移動時間に要し輸送用の梱包の中にいる時間として費やすのです。
2.流通コスト
流通におけるモノの移動は物流としてコストを発生させる要因になります。どれだけ短くするかがポイントにはなりますが、グローバル時代という現代では海外から運ばれてくる製品は多く存在します。また、私たちが作った製品も海を越えて海外に運ばれていくこともあります。物理的な移動距離を短くする以外の発想がないと物流のコストは削減できないのです。
そこで、視点を大きく捉えて考えてみます。単純にモノの移動という物流ということだけではなく、「流通」として全体的に合理的な改善を図れないかを考えてみるということです。例えば、製造工場のエリア別の拠点設定が可能であれば、その移動距離は削減できます。また、販売店をエリア分けすることで、消費者への移動に無駄が発生しないようにできます。ECのようにネット販売によって、店舗への物流を削減することも可能になります。もっともネット販売は消費者への個別配送という作業が同時に発生してしまいますが。いずれにしても、どのように必要最低限の物流コストに収めていくかを考えることは、コストの管理においては大切な初動とも言えるのです。
3.トラックにはどの程度の量が積載できるのか?
「トラックいっぱいに積む」とは、どのくらいの量なのでしょうか?
2トントラックや4トントラック。また、5トン・10トンとトラックは輸送量に応じて、様々な大きさがあります。この、トラックに積載できる量を「最大積載量」といい、トレックの大きさにより法律で設定を義務付けられています。その量は重さで表します。しかし、重さイコール大きさではないので、重さは積載量条件以内であっても、大きさが入らないこともあり得ます。そこで、トラックのコンテナ部に入る容量を計算して積載する前に作業を見積もります。
ここで、容量の単位として使われるものに「才数計算」というものがあります。「才数」とは、大きさを表す単位です。1才は30㎝×30㎝×30㎝の四角の箱の容量を指します。一般的な2トントラックの容量では600才程度とも言われております。みかん箱がおよそ1.5才ですので、みかん箱400箱を乗せることが可能ということになります。しかしながら、コンテナにぴったりと納まる寸法に箱ができているわけではないので、実際はコンテナ内には隙間が空きます。それを考慮すると、600才の90%程度が有効利用できるとして、540才が積載できる容量と考えます。さらに、実際は、みかん箱の場合は、上積みすると下の箱が潰れてしまう場合もありますので、上積み限度があります。トラックのコンテナの高さいっぱいまで積むことができない場合もあります。トラックの運転手さんは日々の運送活動において積めるか積めないかをこれらも踏まえて事前に算出しているのです。