製品開発ポイント-量産製造見積もりを依頼する
量産製造見積もりを依頼する時の大切なポイントをご紹介します。
1.ざっくりでいいから・・・は高くつく
見積もり仕様を曖昧にして「ざっくりでいいから見積もって」と依頼するのは、時として必要な場面もあります。
まずは、全体予算感を掴みたいといか、若しくは一番コストを要する箇所を認識したいなどの理由などが考えられます。しかし、これは加工メーカーの選定が済んで決定したメーカーとのコミュニケーションでは良いですが、これらか選定する場合はあまり良いことではありません。
メーカーは見積もりをする際に、必ず受注確率を考慮するものです。それによって見積もりコストも変動することもあります。「ざっくりで」というワードは、ある意味加工メーカーにとっては、「おたく以外にも検討しているので・・」と言われているようなものなのです。また、ざっくりという条件ですと全ての要素において、過度な安全値を考慮した見積もりになります。当然ながら、非常に高いコストを提示されることになります。
シビアにコストを検討する際の見積もり依頼は、やはりしっかりとした図面や仕様書を用意して、メーカーへの説明を行い、納得と理解を得た上で見積もりを検討してもらいましょう。
2.よくある見積もり違い
メーカーからの見積もりを検討した結果、コストも折り合いがつき量産メーカーとしての決定をすれば、量産製造の発注書を発行して製造依頼をかけることになります。いよいよ量産が開始になり製品出荷の段階でよくあるのが品質上のトラブルです。
「あれ?こんなキズがついている。これは不良だ」
と思ってメーカーさんへ連絡し不良内容を伝えると思いがけない答えが返ってきます。
「それは、不良という認識ではございません」
え?どうして?と思うのですが、これは最初に品質仕様を指定して見積もりをしなかったことに起因します。一般的な品質異常という概念でいえば、例えば完全に破壊されているレベルの破損などは双方認識は一致しますが、小さな傷や汚れといった場合は最初に条件を設定しないとメーカーは見積もり条件に含まない場合が多いのです。
結果的に最初に取り交わした見積りよりどんどんコストが高くなるモノつくりになりますので、見積りの際はそのあたりも十分ご注意を!